掲載日:[26.07.14] 照会数:5959

Touring K-Arts
螺鈿匠の図案室
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螺鈿(ナジョン)
薄く削った貝殻を様々な形に切り、器物の表面にはめ込んで飾る漆工芸の装飾技法、韓国ではこの技術を極め、発展させた職人のことを国家無形遺産(いわゆる人間国宝)である「螺鈿匠(ナジョンジャン・らでんしょう)」と称する
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8月20日から10月24日まで、大阪韓国文化院 ミリネギャラリーにて、Touring K-Arts「螺鈿匠の図案室」展を開催いたします。
煌めく螺鈿漆器(ナジョンチルギ)。その華やかさの裏には、職人たちの深い苦悩と探求が刻まれた「図案(도안)」がありました。
本展は、韓国螺鈿漆工芸の近代化を牽引した先駆者・全成圭(チョン・ソンギュ)と、その薫陶を受けながらも独自の芸術世界を切り拓いた金奉龍(キム・ボンリョン)・宋周安(ソン・ジュアン)・沈富吉(シム・ブギル)・閔種泰(ミン・ジョンテ)・金泰熙(キム・テヒ)の仕事を、図案とともに新たな視点で見つめ直します。
近代において全成圭、金奉龍、沈富吉、宋周安らは日本の漆芸家・木村天紅との共同制作を通じて近代的な製作システムや感覚を共有し、一歩進んで1970〜80年代には閔種泰と金泰熙が日本の茶道文化に寄り添った「棗」や「香合」を制作するなど、韓日の現代螺鈿漆工芸は互いに深く交流し影響を与え合ってきました。
近代的な図案の導入と道具の改良によって螺鈿漆工芸を現代的な産業へと発展させた6名の匠の足跡をたどりながら、その伝統を受け継ぎ今日の螺鈿漆工芸を担う弟子たちの作品を一堂にご覧いただけます。使い込まれた図案に刻まれた苦悩から煌めく作品に至るまで、ぜひじっくりとご堪能ください。
本展は、「Touring K-Arts」事業の一環として、韓国文化体育観光部および韓国国際文化交流振興院(KOFICE)の支援を受けて開催されます。
概要
(会期)2026年8月20日(木)―10月24日(土)
※日・月、祝日、10/3(土)、10/9(金)休館
(時間)10:00~18:00
(会場)大阪韓国文化院 1階 ミリネギャラリー
(主催)駐大阪韓国文化院、ソウル工芸博物館
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ソウル工芸博物館
2021年7月、鍾路区にて開館したソウル工芸博物館は、ソウル特別市が旧・豊文女子高の校舎5棟を改装して開いた韓国最初の公立工芸博物館です。
ソウル工芸博物館は工芸品だけでなく、工芸をめぐる知識、記録、人、環境などを研究し共有することで、工芸が持つ技術的・実用的・芸術的・文化的価値を経験することができるダイナミックなプラットフォームを目指しています。
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(後援)韓国文化体育観光部、韓国国際文化交流振興院(KOFICE)
入場無料
アクセス
大阪韓国文化院 ミリネギャラリー
大阪市北区東天満1-1-15 1階
・JR東西線 「大阪天満宮駅」 8番出口から徒歩6分
・OSAKA METRO谷町線・堺筋線 「南森町駅」 8番出口から徒歩6分
・OSAKA METRO谷町線「天満橋駅」 2番出口から徒歩8分
詳細内容
本展《螺鈿匠の図案室》は、韓国の螺鈿漆工芸の近代化を牽引した全成圭(チョン・ソンギュ)と、その影響を受けながらも独自の作品世界を築いた螺鈿匠、金奉龍(キム・ボンリョン)・宋周安(ソン・ジュアン)・沈富吉(シム・ブギル)・閔種泰(ミン・ジョンテ)・金泰熙(キム・テヒ)の仕事を、「図案」を通じて新たな視点で見つめ直す展覧会です。
螺鈿漆工芸とは、アワビや巻貝の殻を薄く削って切り取り、器物の表面に貼り付けて装飾し、その上に漆を繰り返し塗り重ねて仕上げるもので、高麗時代から今日まで約1,000年にわたって受け継がれてきた韓国を代表する伝統工芸です。図案とは、漆器の上に螺鈿で絵を描いたり文様を配置したりするための設計図です。
単なる下絵を超え、作品の造形美を決める重要な要素であり、螺鈿匠の芸術的魂が凝縮された、もう一つの作品といえるでしょう。図案には、作品が制作される時代と地域の伝統・知識・美意識・象徴体系が込められると同時に、作家それぞれの哲学や芸術的感性、経験も映し出されています。
20世紀初頭まで螺鈿匠たちは、図案の原初的な形である「見様」を器物や家具の上に直接描き、その上に螺鈿を貼り付けて作品を制作していました。1920年代からは、紙に墨・ペン・鉛筆などで図案を別に描いた後、複製した図面の上に螺鈿を貼る「プチムジル(붙임질:螺鈿を図案に合わせて貼り付ける技法) 図案」が生まれました。こうして制作された図案を器物や家具に繰り返し貼ることで、螺鈿漆工芸の大量生産と大衆的な消費が可能となりました。
本展では、近代的な「図案」を導入し、道具を改良して韓国の螺鈿漆工芸を一つの産業へと成長させた6名の螺鈿匠を紹介します。あわせて、彼らの匠の心と技量を受け継ぎ、今日の螺鈿漆工芸を担う弟子たちの作品もともに展示します。使い込まれた図案から完成された器物に至るまで、創作の過程に宿る彼らの挑戦と匠の心をじっくりとご覧ください。
螺鈿漆山水文卓子
나전칠 산수문 탁자
全成圭
木、漆、螺鈿
37.4×121.3×88.9cm
1937年以前

螺鈿漆長生文函
나전칠 장생문 함
沈富吉
木、漆、螺鈿、金屬
22×61×37cm
1980年代
韓国と日本における現代螺鈿漆工芸の交流
東アジア三国は漆文化を共通の基盤として共有してきましたが、中国の彫漆、韓国の螺鈿、日本の蒔絵など、各々異なる装飾技法が発展してきました。なかでも、アワビの貝殻が放つ玲瓏たる輝きを用いた韓国の螺鈿漆器は、日本の漆器とは明らかに異なる美感を持ち、韓国における螺鈿漆の歴史の真髄を体現しています。器物の表面に螺鈿で文様を施した韓国の螺鈿漆工芸は20世紀初頭に導入された図案と糸鋸によって、さらに繊細で多彩な絵画的表現を見せるようになりました。
糸鋸が呼び覚ました線の革命
1920年、全成圭をはじめ金奉龍・沈富吉・宋周安は、木村天紅(木村伊三次郎、1887-1950)の故郷である富山県高岡市へ渡り、「朝鮮之螺鈿社」で活動しました。この時期、全成圭は金属細工の道具である「糸鋸」を螺鈿制作に導入しました。はさみでは表現できなかった極めて繊細で柔らかな曲線が糸鋸によって実現され、韓国の螺鈿漆工芸はよりいっそう筆で描いたかのような流麗な山水表現が可能となりました。
日本の茶室に染み入る韓国の情趣
1970-80年代、閔種泰と金泰熙は日本の茶道文化に欠かせない器物である「棗」や「香合」などを中心的に制作し、韓日工芸交流に新たな地平を切り開きました。彼らは日本人の美感に応える文様と器形を研究しながら、韓国の螺鈿ならではの玲瓏たる輝きを刻み込んだわけです。
〈螺鈿漆鳥文棗〉図案
〈나전칠 조문 찻통〉 도안
金泰熙
紙
19.5×23cm
1970年代

螺鈿漆鳥文棗
나전칠 조문 찻통
金泰熙
木、漆、螺鈿
Ø7.2×7.6cm
1970年代
※詳細は事情により、変更になる場合がございます。
連携プログラム 開幕記念講演会
【紹介 × 実演 × トーク】
目の前で花開く、きらめく螺鈿の世界
韓国国家無形遺産・螺鈿匠の保持者、
崔相勳(チェ・サンフン)とともに楽しむ螺鈿漆器の物語
(日時)2026年8月20日(木)午後 6時 (約60分予定)
(場所)大阪韓国文化院 7階 ヌリホール
※日本語通訳あり ※参加無料・事前申込制・抽選制
申込方法などの詳細は以下のページからご確認ください。
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